9月7日(土)、長崎大学環境科学部学生実験棟に於いて、第2回大村湾公開講座が18:30から20:30まで開催された。
「津水湾の漁業」 多良見漁業協同組合 荒木 隆氏
◎講演の要旨
専業の漁業従事者が居なくなり、会社を退職後に漁業に専念する人が増えた。漁獲量は減っているが、時として特定種の魚介類で豊漁の時もある。埋め立てが進み砂浜の海岸線がなくなり、あさり貝の漁場も1ヵ所になった。津水湾も見た目には問題ないように見えるが、海底で何が起こっているか?魚介類にとっては厳しい状況にあるのではないかと思っている。
今後は漁民自身が自分たちの海を護る意識を持つことが肝要である。最近、新聞やテレビで環境に関する報道が増え、(漁民の皆さんの)意識も深まったように感じていると語った。
「大村湾へのアプローチの提言(津水湾の事例より)」
大村湾の再生と活用を推進する会 平部 頴達氏
◎講演の要旨
超閉鎖的な大村湾の最奥部に位置する津水湾について、それほど注目していなかったが、荒木さんの話を聞いたり、実際に現地に行って見て驚いた。海では埋め立てが、陸では工業団地や宅地造成が進み、沿岸市町村の人口は昭和20年ごろの5〜6千人から5万人程度に膨れ上がっている。これまで目が向けられなかったこと自体に、会の一員としての怠慢を感じると述べられた。平部氏は昭和23年、昭和45年、平成12年の津水湾周辺の地形図に着色(森林、田畑、川、団地)したパネルを示しながら津水湾を中心にした環境の変化を説明した。
高度成長期に始まり、ここ30年間で環境破壊は急速に進んでいる。便宜性、経済性の追求や金儲けに走ったことに関するつけが回ってくる。人間の所業の恐さを反省し、反省の上に立って今後を考え、対策を具体化してゆくことが必要。研究は技術系に加え社会系も一緒になって総合的に行わないと大きな効果は期待できないだろうと結んだ。写真右が平部氏
お二方の講演の後、まとめの時間に質問を受ける 武政 剛弘会長(長崎大学環境科学部教授)。写真右端。
質問では、県には開発の状況が時系列で分かるような資料が残されているのではないかとか、特殊な環境にある津水湾を研究・調査することで、これからの参考になるようなことが浮かび上がってくるのではないかというのがあった。
これに対し、「開発の経緯などを調べてもよく分からない。本来ならば大学あたりに資料を残しておくべきと思うが、最近は教授が変わると研究がそこで途切れるということもあって、研究を継続させることが難しい。また、津水湾の研究については、他所ではそういう目的で、研究施設を置いてあるところもある」と答えられた。
今回は、身近な津水湾の話で、いろいろと勉強になった。(彼方)

