投稿日:2006-12-02 Sat
新大工町の本屋さんで「栗林忠道・硫黄島からの手紙」(文芸春秋刊・税込千円)という本を見つけ、半分ほど読み進んだ。太平洋戦争の激戦地・硫黄島で総指揮をとった栗林中将が、この島に赴任してからアメリカ軍の上陸で全滅するまでの8ヶ月の間、妻、長男、長女、次女に宛てて書いた全ての手紙をまとめたものである。
島と東京を行き来する軍用機に手紙を託したと見え、その中味は検閲皆無(将校だから?)。島の様子やら家族への思いやり、心配の言葉がいっぱい連ねられている。最初の手紙の冒頭「此の手紙は他人の眼に絶対触れさせぬ事又内容をしゃべらぬ事」と記してある。手紙には指揮官の本音が赤裸々に書かれている。
いつ死ぬかも判らぬ状況下で、東京に住む家族への愛情溢れる言葉はもちろん、女中さんの補充の指示やら子供達の手紙の誤字の指摘など、その配慮たるや事細かである。
本人はもちろん昭和20年硫黄島で戦死(享年53歳)。同じ年に長女が腸チフスでわずか16歳で死んでいる。夫人は99歳まで長生きして平成15年に、長女は69歳で平成16年、長男は80歳で平成17年にそれぞれ亡くなっている。家族達からの手紙はいっさい掲載されていない。多分、栗林中将とともに硫黄島の露と消えたのであろう。
映画では渡辺謙が栗林中将に扮している(多分)。どのように映画化されているか楽しみだ。本も必見なり。
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